・信国吉政
南北朝時代の戦乱で、山城信国より別れた四代信国(定光)が豊州宇佐に移住し、九州信国派となりました。
その後、十二代信国(吉貞)は安心院(あじむ)氏の御抱工でしたが、領主の安心院家が滅亡し、新たに細川氏が領主となり仕官を迫られますが、黒田氏に支える約束を交わしていたため、子の吉政と共に豊州から筑前に移住し、筑前信国派が始まりました。
吉政は筑前信国派の代表工で、他に信国吉次、信国吉助などがおり、黒田家御抱工として活躍しています。
この信国吉政の三代目が、本作の作者、筑前住源信国と成ります。
◆出品者からの一言
今回ご紹介致します刀は、日本美術刀剣保存協会の元理事・常任審査員でおられた村上孝介先生(剣掃)の鞘書鑑定がございます刀で、鞘書きでは昭和名物号茶釜吉政(由来→鋩子茶釜の如き)。
今回倉敷刀剣美術館の鑑定により、三代吉政と極められたものです。
身幅・重ね尋常で、板目肌よく練れて地沸つき、小互の目丁子乱れの刃文で 匂口は明るく冴えた高い技量と特色を顕著に示した素晴らしい出来のお品です。
身重ねもしっかりした重量感のある刀身で健全な状態です。
◆法量