| 商品説明 |
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平成7年 定価45000円。重さ約4.25kでずっしりきます。図版豊富。部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
「この本の特色は、貨幣に関する専門書という面と、貨幣に興味を持っている人達のための面白い読み物という面の、二つの顔を持っている点であろう。そして、貨幣収集家が目を見張るような珍しい貨幣の写真もたくさん載っている。」
古代文明の発祥から、19世紀の世界各地域の様子まで、西洋における貨幣の歴史をまとめた大冊。全3巻、123章に及び、各国で使われた貨幣の写真を掲載しながら解説。
序 文
この度、久光重平君の労作 「西洋貨幣序説」 が 『西洋貨幣史』として出版され ることとなった。しかしながら、著者は、この大著を見ること無く、平成6年3 月、病のため亡くなられている。まことに残念なことである。
某日、久光夫人から連絡があり、彼の本が出版されることになったので序文を 書いてほしいというご依頼があった。 大蔵省同期入省の友人の一人として、私で よろしければ、とお受けすることにしたが、夫人がわが家に持参された目次と著 書の内容の一部を見て、その範囲の広さや内容の豊かさに私は驚嘆した。まさ に、学者肌で努力家だった、今は亡き久光君の面目躍如たるものがあった。
久光君は、大蔵省で造幣局長を務め、退官された3年後の昭和51年に『日本貨 幣物語』という著書を出版された。竹内道雄さん(当時の大蔵事務次官)の序文 の中に、久光君が造幣局長時代から貨幣の話を月刊誌に掲載していたことが書か れているが、おそらく、 その後も毎月原稿を書き、彼のライフワークとして、病 に倒れた日まで書き続けてきたのであろう。その凄まじい学究心と情熱には、た だただ頭が下がる思いである。
今回の著作は、舞台を西洋に移した貨幣の歴史である。 最近、キャッシュレス 時代の到来などと言われるが、現実の経済活動は今でも貨幣を中心に営まれてい る。人類の貨幣経済の歴史は極めて長い。 この本によれば、貨幣の元祖は東洋で は中国、西洋ではギリシアのようであるが、世界最古の文明の発祥地メソポタミ アやエジプトにおいて、 すでに貨幣のようなものの存在が認められるようだ。
この本の特色は、貨幣に関する専門書という面と、貨幣に興味を持っている人 達のための面白い読み物という面の、二つの顔を持っている点であろう。 そし て、貨幣収集家が目を見張るような珍しい貨幣の写真もたくさん載っている。 久 光君自身が研究の対象としてだけでなく、貨幣に興味を持っていたからこそ、こ の大著が生み出されたのではあるまいか。 いつ、どこで、どうやってこれだけの 資料を集め、それをみごとに整理しつつこの大作を書き続けたのか、彼の健在の 間に聞いておかなかったことが悔やまれてならない。
久光君は、旧制三高、 東大法学部を経て昭和22年に大蔵省に入省された。 札幌 国税局長、国税庁徴収部長、 造幣局長を務めて、退官後は電源開発株式会社の理 事や国立国会図書館専門調査委員などを経験された。 勲三等旭日章を受賞されて いるのは当然だが、 こと 「貨幣」に関しては、何か学術文化に関する受賞があっ ても良かったような気がする。
最後に、この大著が刊行されるに至ったのは、亡きご主人の夢を実現させたい と言う久光夫人の熱意の賜物であることを書き添えておきたい。
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