「おどろきの「クルド人問題」」
石神 賢介
不用意に撮影したからか。気づけば僕は過積載のトラックに追いかけられていた……。きっかけは「埼玉県川口市に実際に住んで、クルド人問題を取材してみませんか」という編集者からの提案。ケバブ店、クルド人御用達の朝食食堂、シーシャバー、解体業者、教育現場と市内を縦横に駆け回り、子ども、住民、市議会議員から市長にまで話を聞き、見えてきたのは「多文化共生」という理想と現実のおどろくべきギャップだった。
【目次】
はじめに
第1章 事件とトラブルが起きていた
国を持たない最大の民族/テロ組織との関係/クルド人関連事件簿/医療センターで100人規模の大暴動/赤羽の公衆トイレで性的暴行/伊刈トラックひき逃げ死亡事件/商業施設花火投げ事件/10代女子連続性的暴行事件/前川無免許ひき逃げ事件/子どもが遊ぶ公園で性行為
第2章 西川口駅前は昭和の空気漂う平和な街だった
『キューポラのある街』の今/ギャンブルと性風俗の街から多国籍の街へ/川口に住むクルド人と対面/「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセン」/彼らは難民ではない?/駐日トルコ大使たちの対応/仮放免で日本に滞在し続けるループ/クルド人が解体業に就く理由/「ニホンジン、シネ!」/PKK創始者の声明
第3章 解体業のトラックに追い回されて怖かった
真っ暗闇の町/シーシャバーへ/自転車で再度赤芝新田へ/地域住民たちの意外な反応/小学生に聞き込みしてみたら/朝食のパンは500円/女性に怪しまれる/クルドカーに追われる
紀伊國屋書店の本町店(大阪市)が同店の公式X(旧ツイッター)で「おすすめの新書」として「おどろきの『クルド人問題』」(新潮新書、石神賢介著)を紹介したところ、「ヘイト本」だなどと埼玉県鶴ヶ島市の福島恵美市議(無所属)らが抗議し、こうした批判を受けた紀伊國屋側は謝罪、投稿を削除した。同書の一体、何がヘイトなのか、福島市議と産経新聞との書面でのやり取り全文は以下の通り。