杜甫詩注 全10巻揃 吉川幸次郎 岩波書店
〈特色〉
◆中国文学史上最高の詩人、杜甫(712-770)の全詩を収録。
◆杜甫は、唐帝国の激動を生きた。各詩を年代ごとに配列して巻編成を行い、その生涯をたどりながら鑑賞する。
◆杜甫の作詩は、「詩聖」「詩史」と称されるほど、多彩で奥行きが深い。詩の原文・読み下し・訳に加え、全ての句に精細な注釈を施すことで、この詩人の営み全体に迫る。
◆中国学の泰斗、吉川幸次郎が生涯をかけて取り組んだ仕事を引き継ぎ、刊行する。
吉川幸次郎
日本を代表する中国文学者。一九〇四年、神戸市生まれ。一九四七年、京都大学文学部教授に就任(一九六七年まで)。研究対象は、漢詩をはじめ、『尚書正義』、元曲、荻生徂徠・本居宣長ら江戸の思想家まで多岐にわたり、また、『漢の武帝』『新唐詩選』『中国詩人選集』『論語』『水滸伝』などの著書・シリーズ・訳注で多くの読者を惹きつけた。その仕事は『吉川幸次郎全集』(決定版、全二七巻、筑摩書房)としてまとめられている。唐の詩人、杜甫は吉川のライフワークであり、その全詩の注釈を『杜甫詩注』(全二〇冊、筑摩書房)として企図、一九七七年より刊行を開始したが、一九八〇年に逝去。同書は第五冊(一九八三年)までで途絶していた。