日本の原風景、そこに暮らす人々。
逆境、苦悩、出会いと別れ。
ここから津軽三味線は生まれた。
岩木川の渡し守の子供として生まれた仁太郎は、物心がつく頃には既に母親と死別していた。
そして、8歳で病気のために失明する。
それでも、笛や尺八に興味を持って、すくすくと明るく元気に育っていく。
ある日、村にやってきたゴゼのたまなの三味線を聞いて感動し、なんとか三味線の手ほどきをしてほしいと頼み込む。
そして、彼は三味線で生計を立てていこうと決心するのだが、またも、彼を奈落の底に突き落とす不幸が訪れる・・・。
【解説】
今日、津軽三味線は日本の伝統音楽として世界的に高い評価を受けている。
しかし、そのルーツは全くヴェールに包まれていた。
このルーツを長年にわたるフィールドワークで明らかにした大條和雄氏の原作をベースに、
“逆境を乗り越え、オリジナリティあるものを生み出していくプロセス”を正面から捉えた人間ドラマである。
さらに、津軽三味線演奏に上妻宏光を起用。
演奏シーンの実写収録をベースに、従来、アニメ界ではタブーとされてきた楽器演奏シーンの作画に果敢にチャレンジして、
本格的エンターテイメント作品として仕上がっている。