
スポーツカー以上、レーシングカー未満。ゴム硬度をチューニングした量産形状品。
運転を積極的に愉しむためには、クルマと綿密なコミュニケーションを図ることが重要だ。ドライバーが路面からの入力を察知し操舵するとクルマの動きが修正される。さらにその動きをドライバーが感じ取り、次の操舵を繰り返す…といったクローズドループを、俊敏かつ正確に交わすことである。その実現に向けて、数々のボディ補強パーツリリースしてきた私たちが着目したのは、サスペンション可動部に装備されるゴムブッシュだ。
量産車に採用されるゴムブッシュは、たとえスポーツカーであっても、快適性を担保する必要があるから、ゴムの硬度を柔らかめに設定し振動吸収性を優先しなければならない。だからワインディングを駆け巡るといったシーンでは、ドライバーの操作に対して一瞬、反応の遅れを感じてしまう。フロントにダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク式サスペンションを奢られるNDロードスターに点在するブッシュは実に30箇所以上。そこを硬めれば、操縦性に大きな変化を及ぼすことは容易に想像できるだろう。
鍵となるのは、硬め方のサジ加減。レーシングカーさながらの金属製ピロボールや硬質ウレタンに交換すればリジッド感こそ極まるが、引き換えに振動や経年劣化による作動音が発生するのでストリートユースには不適だ。逆に、柔らかければ反応はダルい。
私たちのサスペンションブッシュは、量産形状をキープしゴム硬度を110~140%程度に高めた仕様。実用性を担保しつつ可動部の撓みを抑え、スポーツカー以上、レーシングカー未満のソリッドなハンドリングを創出する。そのラインアップは、ダンパー微小ストローク時の動きを高めるアッパーマウントと荷重を受け持つロアアーム側を基本に、アッパーアーム側に至るまでのサスペンション全可動部。走行ステージなどに合わせて強化ポイントを見極めて欲しい。無論、走行距離を重ねた愛車のリフレッシュとスポーツ度アップを兼ね備えたチューニングとしてもお勧めする。
<製品特徴>
■アッパーマウントブッシュセット
ダンパーのトップマウントに挟み込んで装着し微小ストローク時ダンパーの動きを高め減衰力の立ち上がりをサポートする。この部分のブッシュが柔らかいと、路面からの入力が加わりダンパーがストロークする前にブッシュが撓み、ダンパー初期作動を妨げてしまう。量産形状のダンパーやスプリングとの同時交換を推奨。ブッシュ交換のファーストステップとして最適である。ゴム硬度127%(量産比)。
■サスペンションブッシュセット(ロア)
路面からの荷重を主に受け持つサスペンションロア側のブッシュを硬めることで、アライメント変化を抑制し正確なハンドリングを支援。比較的荷重の負荷が少ないアッパー側を量産品と組み合わせることで、しなやかさを兼ね備えた乗り味を創出する。サスペンションブッシュの基本セットとしてお勧めしたい。フロントロアアーム8か所とリアトレーリング/トーコントロール/ラテラルリンク、リアアクスル部の14か所をセット。単品購入も可能。ゴム硬度109~140%(量産比)。
■サスペンションブッシュセット(アッパー)
サスペンションブッシュ(ロア)との組み合わせを前提としたオプション品。セット装着することで、サスペンション全体の撓みを抑えたトータルチューニングが完成。高負荷が連続するクローズドコースでのスポーツ走行においても曖昧さのないソリッドなハンドリングを実現する。金属製ピロボールなどに比べ振動吸収性は担保しているが、ダイレクト感と引き換えに荒れた路面などでの突き上げ感が増す点を留意して欲しい。フロント&リアのアッパー側のアーム、ラテラル/リーディングリンクの計8か所をセット。単品購入も可能。ゴム硬度125~146%(量産比)。
<装着部位イラスト>
