魔性の娘に翻弄される男の姿を描く、狂熱のサスペンス!

童話作家・相良直樹の部屋に突然現れたその少女は果たして何者なのか?
「裏の顔」を隠すために、“魔婦”未知子と直樹たちとの虚々実々の駆け引きが始まった。
その果てに、恐るべき破局が待ち受けているとも知らず―

飽くなき情熱を持って原始世界への郷愁と、そこに躍動する女性たちの美しさを描きつづけた
香山滋の代表的長篇『魔婦の足跡』。

怪女・未知子の常人とは思えぬ暗躍によってグイグイ目晦まされた挙げ句、
人跡未踏太古の世界に放り込まれ、淫女と怪生物とがジワジワ日常を犯してゆく様に
ひたすら酔うことをお勧めする。
空飛ぶ軍隊蟻とも云うべき暴君虫アロデルマ・カーニヴォラが齎す大破局まで、
とにかく勢いだけで読み進める。


初版、箱に擦れあり、経年感あります。ご了承ください。