四十すぎの風野克彦には妻と二人の子供がいるが、会社勤めの矢嶋衿子との関係が5年間続いている。ある日、風野は自宅のカレンダーに色々な印がつけられているのに気付く。そしてそれが風野が外泊した日と、午前零時過ぎに帰宅した日を示すものだと知って慄然とする。妻に衿子との関係を知られてしまったのか?不倫のきわみを見つめて『ひとひらの雪』『化身』の原点をなす長編小説。