アーティスト: 田辺昭知とザ・スパイダース
タイトル: 青春ア・ゴーゴー / クライ・アンド・クライ
レーベル: Crown CW-444
フォーマット: 7インチEP / 45RPM / モノラル
リリース年: 1966年3月10日

メディアの状態: VG-(一箇所歪みがあり、曲の冒頭部に針飛びあり)
ジャケットの状態: VG+(軽微なスレ、角の微細な傷みあり)


1966年、日本のポップミュージックシーンに鮮烈な印象を残したザ・スパイダースの傑作『青春ア・ゴーゴー / クライ・アンド・クライ』。この作品は単なるヒット曲を超えて、時代の空気を切り取った文化的な記録として、今なお輝きを失っていません。

A面の「青春ア・ゴーゴー」は、青島幸男の詩的な歌詞と脇野光司のキャッチーなメロディが融合した、まさに時代の申し子のような楽曲。大野克夫のオルガンサウンドが奏でる躍動感は、当時の若者たちのエネルギーをそのまま音にしたよう。日活映画の主題歌としても使われ、青春の熱気を鮮やかに表現しています。
B面の「クライ・アンド・クライ」では、阿久悠の情感豊かな歌詞が、青春の儚さを切なく歌い上げます。ザ・スパイダースの音楽的多様性を感じさせるこの対比こそ、彼らの真骨頂だったと言えるでしょう。

グループの魅力は、ビートルズやストーンズの影響を受けつつも、日本の風土に根ざした独自のサウンドを確立した点にありました。大野克夫のジャズテイストの効いたアレンジ、かまやつひろしのシャープなギターワーク、そして堺正章と井上順の魅力的なボーカルとMCが、他に類を見ない音楽スタイルを創り上げたのです。

解散後も各メンバーは第一線で活躍。かまやつひろしはロックシーンで、大野克夫は作曲家として、堺正章と井上順はタレントとして、それぞれの才能を開花させました。2017年に行われたかまやつひろしの追悼ライブでは、旧メンバーが再集結し、多くのファンに感動を与えています。

現在、このレコードは音楽愛好家の間で特別な存在として扱われています。状態の良いオリジナル盤は5,000円から10,000円程度で取引されることも。60年代の空気を今に伝えるこの作品は、日本のポップミュージック史を語る上で欠かせない一枚です。


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