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発売日: 1992/02/21
製作年: 1957
収録時間: 89分
出演者: ヴィクトル・シェストレム グンナール・ビヨルンストランド イングリッド・チューリン ビビ・アンデショーン
監督: イングマール・ベルイマン
字幕: 日本語字幕
音声: モノラル/デジタル/スウェーデン語 ジャンル: ドラマ
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全体状態評価「C」・経年劣化「中」・カバーイタミ「中」・版面スリキズ「小」
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人付き合いって、そこに居ない誰かの噂をし悪口を言うことだ、私はそれが嫌で友を持たなかった・・・
スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンが、ひとりの老人の1日を通して人生のむなしさや孤独をつづり、ベルリン国際映画祭金熊賞をはじめ数々の映画賞に輝いた傑作ドラマ。名誉博士号を授与されることになった老教授が車で授与式場へと向かう道のりを、老教授の回想や悪夢を織り交ぜながら描いていく。老教授を演じるのはサイレント期の名監督として知られるビクトル・シェストレムで、本作が遺作となった。
サイレント期にはハリウッドまで渡った、スウェーデン映画の基礎をなした名匠シェストレムを主演に迎えて、ベルイマンが人間の一生を深く掘り下げた詩編ともいうべき秀作。医師イサクは50年に及ぶ業績を讃えられ、名誉博士号授与に赴く前夜、自分が死ぬ夢を見る。彼は息子夫婦の運転で式場のあるルンドへ向かうが、途中、青年時代を過ごした旧宅に立ち寄り、原っぱの野いちごに、積極的な弟に奪われた婚約者サラ(アンデショーン)を想い出す。その後、彼がめとった妻はくだらない男と密通し、彼を傷つけたのだ。邸を発ってしばらくして、ヒッチハイクの三人組を拾うが、そのうちの一人、女学生のサラ(アンデショーンの二役)は昔の想い人にそっくりで、彼は思うままに過ごせなかった自らの青春を悔いる。次に乗せたのは、彼らの車と事故を起こしかけた夫婦者。しかし、その口論があまりにうるさいので降ろしてしまう。が、再びまどろむイサクの夢で、その無知と人生の空疎さをあげつらうのは、夫婦者の夫だった。イサクはそこで初めて、息子エヴァルドの嫁マリアンヌの苦悩を知る。息子もまた自分と似て厭世的で人生を楽しんでいない……。式典を終えたイサクは、例の三人組の祝いの訪問を受ける。勲章よりもそうした、人とのつながりの価値を思い知ったイサクのその夜の夢は、青春の頃に戻りサラに再会する幸福なものだった。人生が走馬灯のように、とはよく言うが、このように老いて、若き日を回想できるものなのか。そのためにも生きねばなるまいと思わせる映画です。
【スウェーデンが世界に誇る巨匠ベルイマンの代表作】
偏屈で人を遠ざけて生きてきた老人が名誉博士号を受ける為に車で旅をする過程で人生を省みる物語です。
家族とのいざこざを抱えていたベルイマンが自らの経験を反映させた内容と言われており、同郷の偉大な先人ヴィクトル・シェストレムを主演に据えたキャスティングには、スウェーデン映画界を背負って立とうという覚悟を感じました。
有名な序盤の悪夢のシーンは目まいがするほど素晴らしく、針のない時計と迫り来る心音は鼓動が止まる時が近いことを知らているようで、道を示す為の街灯によって前に進めず車輪が外れて棺を放り出す馬車は人生の皮肉を感じさせ、顔がなく身体が消滅する人は主人公に信頼できる相手がいないことを示すかのようでした。
旅の途中では心の傷の裏側が二度に渡って幻想となって現れ、主人公はそれを垣間見ることで自らの人生を振り返ります。
そして現実世界では、三角関係の奔放な若者、喧嘩ばかりの中年夫婦、まるで自分を見るような偏屈で感傷に浸る年老いた母と道中で出会う人々が人生のあり様を主人公に問いかけていく構成は見事でした。
周囲の人との距離を縮めようと試みるも、うまくいかずにノスタルジーに逃避する結末は切なくも美しいエンディングでした。
【これは、70歳を過ぎてから観ると、また違う映画に見えるかもしれない】
イーサク(ヴィクトル・シェストレム)は50年医者を続け、名誉学位を受けることになり、長男の嫁マリアン(イングリッド・チューリン)とともに車で会場に向かう。道中、幼い頃に過ごした別荘に寄り、若者たちを同乗させ、うたた寝の中で夢を見たイーサクは、人生を振り返り、今の自分を省みる。
冒頭、“~いささか孤独な日々だ” といった独白に共感を覚え、かつて夏を過ごした家への執着がめちゃくちゃ自分に重なる。
ベルイマンというと、どうも取っつきづらく感じるけど、家政婦との痴話ゲンカも可愛くて、引き込み方がとても上手だなと感じた。
イーサクという人物は、社会的な名誉とは逆に、孤独で家族からも距離を置かれている。
何より、息子からは尊敬されつつも憎まれ、自分を見て “子供は欲しくない” と思われてしまう、惨めな老人だ。
そのことを、若者たち、喧嘩する夫婦、義娘マリアンの告白などから自分の目線で理解していき、孤独という罰への恐れを自覚するロードムービーだ。
今の自分が変われば、懐かしい昔の風景も違って見えてくる。
波乱の1日の中でイーサクは間違いなく少し変わって、生ける屍ではなくなっていた。
ちょっと深読みかもしれないけど、人生の意味と、死への向き合い方を示されているようにも感じた。
そして、あえて夫に似た義父との時間を作り、心の内を吐き出すことで何かを変えようとする、マリアンの表面的な強さと、弱った心、変化していく表情もとても印象に残った。
【針のない時計】
〝人付き合いって、そこに居ない誰かの噂をし悪口を言うことだ、私はそれが嫌で友を持たなかった〟とオープニングからもう厭世的な雰囲気がどっぷりなのに、息子のほうはもっともっと厭世的で〝好きなときに死ねるように身軽でいたい〟と子供を持つことを拒絶するし、さらに〝自分が生きているうちは財産を相続できないから・・・ 〟などと口にする生きる屍のような老母と、知能が秀でていて何事も考えすぎる家系にありがちにしても血縁というものの陰鬱なところばかりを感じさせる物語で、夢の部分はかなり魅力があるものの、いまの時代で映画に求めるものはこういうものではないと、この作品を理解するには若過ぎるってことにして切り上げようと思ったのだけど、若過ぎると言える歳でもないしともう一度観直したら何やら共感できる部分もけっこうあったのでした。
傍からは孤独に見えても、本人は煩わしい人間関係を我慢するよりは一人で何事かに専念できることを選んでいるということはあるのだろうけど、この博士は自身で孤独を甘受するような言葉を口にするのだから抗えない宿命と観念しているようで、旅の途中で遭遇した品性のない愚かな夫妻が反面教師になり、それとは逆に一見野放図に見えるが知性のある若者たちがその宿命との観念を打ち壊してくれる。
おかげで息子夫婦は和解して、博士も殻を破って違う世界が開けたように積極性が現れ、長年仕えてくれて気心も通じ合っている家政婦が〝おやすみなさい、ドアは開けておきます、ご用ならいつでもどうぞ〟と年老いた二人の男女の新たな楽しい人間関係が始まろうとします。 現実と夢の中に二回出てくる針のない時計に、ダリのグニャリとした時計以上に印象強いものがあるのだけど、これは無駄に平凡に時の過ぎ行くことへの抗いを象徴しているってことでしょうか。
【悔恨】
この難解な映画は当時ア−トシアタ−ギルドという運動があったから日本でも公開されたのだったと記憶する。まだ人生の出発点にも立っていなかった青二才に理解できるような代物ではなかった。医師イサクは50年を回顧し、今回ワタクシは50年ぶりにこの映画を見たのだった。さすがに若い頃とは違ってイサクの回想を共感をもってともに生きることはできた。人生とは悔恨の連続であって、夢の中では常に自分の犯してきた失敗と卑怯と卑劣にうなされるのである。青春時代とはなんと残酷な言い方であろうか。
【やはり合わない】
年老いた細菌学者が名誉博士号を受賞するために出かける。ここでの回想を加えたエピソードだが、死を意識したお得意のベルイマンの話で娯楽を求める人間にとっては退屈だ。 喧嘩の耐えない若い夫婦が行くたびの車に乗ってくるが、死を意識する主人公にとって意味はあっても面白くはない。 老いを感じ始めるようになった現在、見たくない物の代表である。映画制作当時であれば、違ったであろうが、現在では老いと戦う方が重要だ。10年後には見たくなるかも知れない。
【老人の三つの夢】
二十歳そこそこで観た数十年前には、良さが全然分からなかった映画。人生を折り返してこそ分かる映画なのかも知れません。ロード・ムーヴィーであり、老人の人生を辿る過去への旅でもあります。夢とも空想ともとれる、ラストシーンに目頭がツーンとしてくるのは、年のせいだけではないでしょう。
【Punishment of name of solitude】
ベルイマンは結局は、幻想を描くのが好きなのだと、この映画が教えてくれる。
彼の映画の主軸となるストイックさと禁欲的で抑制された静けさ、神の不在、人間の孤独や、疎外感、また苦悩の深さを内面的に鋭く切り込んでみせる。そこには甘ったるさなどは微塵も感じられず、むしろ冷ややかでもあるのだが、彼の作り手としての端正さが、本作品では実に顕著でいて、そして計算されたうまさも際立っている。
夜明けにはじまり、夜明けに終わるこの映画を通して、老人は辛辣で孤独なまでの現実を特別な一日を通して突きつけられる。
ベルイマンはサイレン時から見受けられるドイツの表現主義的な悪夢を象徴的に冒頭で見せ、これがこの映画の主題となっていることは言うまでもない。老人の内的な世界の孤独と死への不安は普遍的なテーマであり、その内面にある現実を実に鮮やかに切り取っている。名優ヴィクトル・シューストレムの淡々とした深みのある演技が、シュールレアリズムを用いたベルイマンのイメージ手法とマッチしており、実に素晴らしい。
青春時代の邂逅でも、シューストレム演じるイーサクのみ現在のままで、他はすべて在りし日の美しい姿をとどめている。そしてビビ・アンデーション演じるかつての恋人サラに「鏡を見なさい」と、夢の中でも尚、現実を突きつけられる。老いた姿がそこにはあり、甘くほろ苦い想い出、などといった生易しいものはない。突き放され、孤独という名の罰を背負っているのだと言うことに彼は気づかされるのである。
イングリッド・チューリン演じる義理の娘と息子の夫婦間の不協和音は、自身の若き過ちとそのまま重なる部分でもあり、もはやイーサクは目を背ける事は出来ない。ビビ・アンデーションとふたりの男の存在もまた、過去の自身と、サラ、弟の関係性を象徴している人物設定が心憎いほどだ。
過去と現在、そして悪夢が交錯する中、イーサクは人と関わることを避けていた己の現実を知る。冒頭のドッペルゲンゲルは強烈なイメージとして観る者を圧倒するが、夜明けに終わる時、彼の夢はもはや悪夢ではない。ベルイマンの作品として、この映画が素晴らしく美しく穏やかに思えるのは、甘酸っぱい「野いちご」そのもののような後味を残してくれるからである。
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□備考詳細□
SA~Eまで7段階評価。「´」で下降修正(たとえば「B´」だとCより上B未満という具合)
基本ラインとして「C」ランクを中古屋においてる程度とします。
各状態詳細「激重→大→中→小→微小→なし」(右にいくほど状態良好)
SAは「新品ビニールラップ・未読未視聴」。Sは「新品・数読視聴程度」とします。
当方が基本的に扱うのはオークションお取引品、中古屋流通品、友人よりの譲りもの
がほとんどですのでSA・Sランクはあまりないと思ってください。
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☆お知らせ☆
※月に一度の出張に出てる場合は帰宅後にお取引メールさせていただきます。
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