都内のカルチャーセンターでミステリー教室の講師を務める売れない作家・与謝野憲吉は、人気作家の杠葉啓に異常な嫉妬を燃やし、講座でもつねに彼の小説を批判の槍玉にあげていた。ある日、与謝野は受講者の主婦ら七人とミステリー創作の野外実習と称して、丹沢へ小旅行に出かける。そこで遭遇したのが、杠葉の死体。推理小説創作の裏側を覗く吉村達也の世界。