







【詳細】
初版帯付 小説 黄金バット 加太こうじ 筑摩書房刊
1990年8月30日初版 筑摩書房発行 帯付 新刊案内完備
目次
第一章 黄金バット出現
プロローグ/夜景/黄金バット出現/紙芝居屋群像/黄金パットの正体/警察/トンネル長屋/活劇
第二章 追いつ追われつ
新年/春/電車/後継者/泥亀/鉄火場/敏子の運命
第三章 街に吹く風
続・敏子の運命/偽せ者/街景/訊問/幸福/長雨/似顔/正体/敏子をめぐって/救出/大団円
あとがき
この小説は1988年から1990年へかけて、隔月刊の「東京文芸」という同人誌的な雑誌に、二年余を連載したものである。「東京文芸」は加太こうじとその仲間の発表機関誌といえる。小説、評論、詩、短歌、俳句から漫画まで、それぞれの作品を発表し合うのだが市販はしない。
題名は、はじめは『小説・黄金バッド“街”』としたのだが、単行本化に際して“街”をとって『小説・黄金バット』とした。しかし、超人黄金バットが活やくするSFではない。子ども向きでもない。それでは紙芝居「黄金バット」についての実録かというとそうでもない。この小説は紙芝居で『黄金バット』がはじまった頃-昭和6年頃の、東京の裏街で生活している人たち、特に紙芝居屋とその関係者をえがいたもので、一種の風俗小説だと私は規定している。
事件も登場人物も実際にあったこと、実在した人にヒントを得た創作であって、ときにそれが本当に近いこともある。また、まったくの架空の話ということもある―
加太こうじ
日本の大正、昭和の庶民史、世相・風俗・文化史などの評論家・庶民文化研究家・紙芝居作家。
戦前から戦後にかけて大ヒットした紙芝居「黄金バット」の作者・加太こうじ。紙芝居の人気が衰えた昭和30年代からは、庶民の歴史や風俗、大衆芸術などを題材に小説や評論を発表。東京の下町文化を今に伝える作家として活躍
【状態】
経年劣化により若干の焼け、カバーにスレ、傷は御座いますが、概ね良好です。