「一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ」
(中村元訳『ブッダのことば』)
中村元博士はインド哲学や仏教学を中心とする東洋思想研究の世界的権威であり、漢文訳中心だった仏教研究をインドの古代思想にまで遡り、初めて原始仏典を現代語に翻訳し、日本における比較思想という研究分野の開拓者でもありました。
インド哲学の研究を出発点とされた博士は、セクショナリズムの壁を超えて、世界中の思想を比較研究することにより世界平和への道を示しました。その論文・著作は1500点を数え、今なお世界中の研究者に影響を与え続けています。