集英社/1985 初版7刷/189P
カバー絵:皆川幸輝
装丁:三谷明弘

すごいものに出会った時の、恐怖感にも似た寒
けが、チェロ弾きの青年をおそっていた。     
 ふと知り合ったオルオラネ爺さんの指が奏で
る、三匹のねこたちの演奏が始まったのだ。曲
はベートーベンの第九、三匹たちから作り出さ
れる生きた音楽、ねこの声の微妙な色あい。だ
がリズムは徐々に変貌していった。これはジャ
ズではないか。拍手、喚声、口笛!! イヴの
晩の酒場は興奮と熱気に包まれていた。
表題作ほか3篇収録。

【目次】
序――立ち読みの方へ
ねこひきのオルオラネ
山奥の奇妙なやつ
自分ぼっこ
山を生んだ男
あとがき



状態:三方に軽いヤケ、カバーにスレ、ヨレ、くもりなど
   経年感あり。