鉄器が入ってくる以前、インドネシア最東端のパプア州(旧イリアンジャヤ州)の多くの地域では、鳥獣の骨が鋭利な道具の材料として使用されていました。写真の骨ナイフは、カスアリつまり火喰鳥(ひくいどり)の大腿骨で作ったものです。イリアンジャヤ南西部のアスマット地方で使用されていたものです。余分な飾りを施さず、シンプルに実用的なプレインな、このように見事なカスアリ・ナイフはアスマットでもなかなか見つけることはできません。アスマット(真実の人間、の意味)の人々は、その世界的に知られる祖霊像や戦闘楯、そしてサゴ椰子皿といった現在ではプリミティブ・アートに分類される、素晴らしい彫刻品を、石器やこうした鳥の骨ナイフで削り、彫っていました。現在ではもちろん鉄器が主流です。しかし、その強度は鉄器に優るとも劣らないものです。サイズは、全長約36cm、最大幅が約5.5cm。重さはおよそ140グラム。 インドネシア文化宮は、インドネシアの24時間ニューステレビ局『メトロTV』元東京支局がプロデュースするインドネシア情報発信基地です。
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