正月、江戸浅草の質両替商『たが屋』に盗賊が押し入った。一家惨殺の上、八百両が盗まれたのだ。それから三月、手懸かりのないこの一件が、賞金稼ぎの伊丹十兵衛に託された。盗賊全員の首を刎ねることが使命だ。一刀流皆伝の使い手の身にはたやすい事と思われたが、十兵衛が賞金稼ぎに落ちるきっかけとなった過去の女が探索中に現れて…。書下ろし長篇時代小説。