「大変なことになった。しばらく帰れない」小泉留美は、〈小泉八雲〉の足跡を訪ねて旅に出ていた弟の雲太郎から、奇妙な電話を受けた。心配する留美は、父の好助とともに雲太郎を探すが、そんな時、神戸の埋立て地から、八雲の〈怪談〉を思わせる女性の他殺体が発見された。「弟とは無関係」そう願いつつ自宅に戻った留美だったが、雲太郎の部屋で見つかったメモには、殺された女の名と思われる文字が記されていた。そしてさらに、上野不忍池からは、のっぺらぼうの女の死体が。雲太郎の行方は?彼は生きているのか?はたして事件の真相は?本格推理の名手が贈る、好評!小早川警視正シリーズ第7弾。