| 布花/山下るい/作品集・花作りの基礎・口絵作品の作り方・口絵作品の染め方・花の好きなかたがたの何かのお役に立つならと考えています
1982年 212ページ 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか
この広い地球上に,めぐりくる季節のたびにらんまん と花が咲き乱れます。それなのになお,どうして花を作るのかとよく考えてしまいます。本当のところは自分に もよくわからないのですが,たぶん,本当に本当に花というものが好きなのでしょう。きれいな花を見ると,す ぐさま抱きたくなってしまいます。全部我がものにした くなります。野原全部を摘みたくなります。花屋さんじゅうを買い占めたくなってしまいます。
まだ若かったころ,花のように匂いながら生きる女に なりたいと思いました。身のまわりに生きる花があり, 一緒に暮らしはじめると,花たちはいろいろの思いをこちらへ伝えてくれます。言葉のない香りでおしゃべりを始めます。そして,まことに刻々とその顔つきと姿を変えて生きていきます。どんなにたくさんの花たちとおしゃべりをしながら,どんなにたくさんの花たちを逝かせてしまったことでしょう。
あるときから、彼女たちの姿を再び目に見える形に作り 出して暮らしてきた気がします。自分にも不思議なくら い,次々と逝ってしまった花たちがあらわれてきます。 夢中で咲かせ,また夢中で逝かせ,たくさんの月日を過 ごしました。いつのときも一生懸命暮らしていることが, 私のもろもろの思いと発想の原点です。 女としてこの世に生を受けたからには,まことの女人としての生きざまを,自分なりにうたい上げていきたいと念じています。
お探しの方、お好きな 方いかがでしょうか。
中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙小傷、小汚れ。ページ小黄ばみ。ご理解の上、ご入札ください。 もちろん読む分には問題ありません。180352 |