『タビビトの木』…総務部第二庶務課の課長補佐である田崎の主な仕事は、自社製品に対するお客様からの質問、要望などへの対応ということになっている。つまり、自社製品のイメージを極力傷つけないように苦情をどのように上手く処理するかが、腕の見せ所だ。そんな神経のすり減る日々の中で、椰絵と出会う。椰絵は「劇団旅人」の舞台に立ち、「夢」を追っていた。椰絵と触れ合い、張りつめていた神経がジワリととろけ出す。そんなとき、クレーマーから厄介な電話が入って来る…。『追いかける…。』…サエは、兄が大好きだ。その想いは、兄妹を越えている。そんなサエの毎日の心配ごとは、当然兄のことだ。その兄は高校二年になり、サッカー部のエースストライカーで、生徒会副会長で、もちろんイケメンにもますます磨きがかかり、前にも増して、しつこく女の子たちから狙われるようになった。そんな兄に「カノ女」が現れる。なんと「カノ女」は、病院のある施設に暮らす、ロシア人とのハーフの、小学校五年生の美少女だった…。