※御刀詳細※
相州上工の最も著名な刀工・貞宗 本阿弥光忠の元禄折紙付
貞宗の通称は彦四郎(ひこしろう)。貞宗の銘がある刀剣は現存せず、すべてが無銘の極みと言うのも特徴です。
古くから、貞宗は正宗の弟子でありながら、正宗と肩を並べるくらい、高い評価を受けています。1387年(至徳4年[北朝]/元中4年[南朝])に記された南北朝時代の文献、素眼法師著作の「新札往来」には、「来国俊、国行、進藤五、藤三郎、五郎入道、彦四郎が名人である」と紹介されました。
また、江戸時代以前から、正宗、貞宗、義弘、吉光の4人は「名工四工」と呼び讃えられたのです。江戸時代の「享保名物帳」では、貞宗の作刀が23振も選出。貞宗の作品は、現在、国宝4振、重要文化財12振、重要美術品3振の合計19振が国の文化財として指定されています。
鞘書きは本阿弥長識で、内容は分かりませんが来歴の様な事が書かれています。
『明治二十五年壬辰六月審定記之 洛北鷹峯隠士徳友斎光悦九世之孫 本阿弥長識』
地景が激しく精美な出来です!
相州伝の上位特有の特徴がよくあらわれていると思います。
刃文は小乱れが複雑に乱れ、沸が深く砂流し金筋砂流しが細かに入り非常に美しい。
本阿弥と言えば折紙、折紙と言えば本阿弥。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882193931/episodes/1177354054884567620
折紙とは現代で言うところの鑑定書。この折紙がある刀は(古折紙かどうかは別として)、それだけでも格式の高さの証明にもなります。なぜならば、当時は身分制度の存在する社会。お金を積めば鑑定してくれるものではありません。それなりの地位や格式がなければ、依頼すら出来ないという事ですから。
折紙の書式が整ったのは十三代光忠からで、以降はこれを踏襲しています。使用された用紙は前田家の奉書を取り寄せ使用していました。
縦34.3センチ、横50センチの用紙を半折りにし、その片面に鑑定内容が記載されます。その半折り状態のものが、巻八折りになっており(つまり長方形の部分が八つ並んだ状態)右から順番に1~8として。
1.空白
2.銘が記載され在銘無銘は関係なく鑑定結果が記載
3と4.その中心折れ部に跨がり『正真』と記載があり、その下側で概ね3側に「長サ弐尺四寸三分」と記され、4側に「但磨上無銘也」などと小さく記載
5.『代金子○枚』又は『代○貫』と記載
6.空白
7.年号と干支、月日。下部に花押
8.空白
そして花押のある裏面に本阿弥の「本」の印が押されています。
かなり分厚いしっかりした紙で、長年折り畳まれたものながら折れ部の痛みは殆どありません。外面など多少は毛羽が立つものの、しっかりしてます。
これの外側に包む紙(熨斗みたいなもので名前は失念)とセットになるとベストですが、折紙単体だけでも価値はあります。 もちろん折紙のある刀は高い!
折紙発行の権限は本家のみに限られていました。本家と分家の十二の家が毎月三日に集まり合議の上で鑑定を行い、本家名で折紙を発行というのが鑑定の流れ。
分家は証明書として「添え状」の発行は許されてましたが、「見受け」、「拝見」と鑑定ではないとの内容しか記載できません。
古折紙の鑑定信頼度は日本美術刀剣保存協会のそれを上回り、現代の鑑定の指標ともされています。そのため古折紙がある場合は、その名称のまま合格します。
長さ:約69.0cm
反り:約0.9cm
元幅:約31.5mm
元重:約6mm
先幅:約24.5mm
先重:約5mm
重さ:約647グラム
計測数値の誤差はご容赦下さい。
お刀の状態につきましては、記載写真良くご参照の上、ご納得での入札をお願い致します。 ご落札後は、速やかにお取引き頂けますお方様のみご入札をお願い致します。 評価の悪い方等の入札は、当方の判断にて取り消させて頂きます場合がございます事、どうぞご了承下さいませ。
尚、評価新規のお方様でも、入札はできますが、必ず質問欄より(落札に至った場合の購入の意思)をご連絡下さいませ。 落札後は、いかなる理由でもキャンセルは受け付けませんので、入札前に十分にご検討下さりますようお願いを致します。 及び、落札後の質問にもお答え出来ませんので、気になる様な事がございましたら、オークション開催中に何なりとご遠慮なくご質問下さい。