長岡鉄男氏1970年刊の『マイ・ステレオ作戦』に載っていたトールボーイ・バックロードホーンを作ってみました。学生の頃の第1作から数えて第18作目です。今回はオリジナルより奥行きを増やして、音道4本にしました。無指向性は譲れないので、ユニットは4面に配置してます。


150mm幅の板材を9mm厚のOSB合板等で挟み、2面を合板と杉無垢材で囲んでありますで囲んであります。


スロートと降る音道が70平方cm、昇る音道が78平方cm、そこからテーパー状態になり降り切った音道が216平方cm、昇り切った最後の開口部が396平方cmと、見事なホーンになってます。内部のホーン長は243cmになりました。


左右の12cmウーファーは、ソニーののシステムSS-MD333から取り外したユニットで、コーン紙が紙製、センターキャップは布製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネットは径80mm厚さ12mmのフェライト・マグネット、インピーダンス6Ω、最大入力はシステム上100Wです。

上部の13cmウーファーはSS-S500から取り外したソニー製。コーン紙は紙製、センターキャップは布製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネット部は径80mm厚さ12mmのフェライト・マグネット、インピーダンス6Ω、最大入力はシステム上100Wです。


正面の12cmフルレンジもSS-MD11から取り外したソニー製。コーン紙は紙製、センターキャップは布製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネットは径80mm厚さ12mmのフェライト・マグネット、インピーダンス6Ω、最大入力は50Wです。4本ともこちらが真っ当な最大入力と思われます。


左右と上前のユニット同士をシリーズ接続し、それらをパラレル接続を組み合わせて、システム・インピーダンスは6Ωです。


前面のソフトドーム・ツィーターはオンキョー製TW-3173A。ダイヤフラムは布製、マグネットは径65mm厚さ10mmと径60mm厚さ8mmのダブル・フェライト・マグネット。インピーダンス5.5Ω、最大入力25W、6.6μFを挟んで、クロスオーバー周波数は3.1kHzです。


4個のユニットとターミナルの間は、モンスターケーブルXPで繋ぎました。ターミナル接続はデュアルバナナプラグ対応です。


試聴では、ペダルトーンで埋め尽くされているJ.S.バッハのペダル練習曲BWV598(手持のテストCD;トン・コープマン:ミュラー製作オルガン1734;最低音36Hz)を、かなりの大迫力で鳴らしきりました!この曲は勿論足鍵盤の練習用でもありますが、当時最高のオルガン・コンサルタントでもあったバッハが、すべてのパイプがちゃんと鳴っているかどうかのチェックをするための曲でもあり、スピーカーにとっては、低域に変なピークやディップがないかどうかのテストとしても使える便利な曲です。もちろん極端なピークやディップはありません。

本格的試聴でも、J.S.バッハの前奏曲とフーガハ短調BWV546(手持の最強テストCD;トン・コープマン:ミュラー製作オルガン1734;最低音32Hz)の最初のCのロングトーンに、身体ごと揺さぶられる恐ろしさを感じました。能率では前作を上回ります。

かの本で長岡氏は『まず、能率がべらぼうだ。市販のもっとも能率が良いといわれるシステムより、さらに3dBは高いと思う。(中略)低音がまたすごい。30cmウーファーなみと思ってよい。』と、絶賛してます。

外観は、サイドが継ぎ接ぎ状態なので、かなり濃い目めのニス仕上げで、マズマズです。

重さは10.2kg、サイズは82×18×43cmです。

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