【LP2枚】国内盤 SLGM-1370/71 すでに、カラヤンの絶頂期は過ぎていた。健康を害し、常に痛みや苦しみと共にあったという。時にバランスを欠いた様なぎこちない演奏を散見するようになった。新譜が出る都度、ハラハラ、ドキドキした。 しかし、ベートーヴェンは素晴らしかった。ベルリンフィルとの二度目の交響曲全集、60年代に新時代の規範ともいうべき名盤を世に出しながら、さらに研鑽を積み、自らの芸風に磨きをかけ、理想とする表現を極めつくさんという至難に挑み、それを実現した見事な作品だった。セッションに要した年月を振り返ってみても、尋常ではない気概を感じ取ることが出来る。それに続く収録だ。交響曲全集と同様に、完全無欠を目指したもの。彼等にして、初めて可能な、渾身の演奏が刻印されている。ベートーヴェンこそは、当代最高の指揮者と楽団が、自らの威信にかけて、至高の演奏を記録する対象であったのだ。そして、それは実現された。これが、ミサ・ソレの最高の演奏であると断言できる。勿論、クレンペラーも素晴らしいが・・・。中古ですので小さな汚れあります。まとめて買えばお安くなります。